やな奴。 | 酔いどれ Little Engineer

やな奴。

僕の勤めている某大手セレクトショップの商品部には関西人が3人(いや、真の関西人は2人だけか。)しかいない。一人はK主任で、もう一人はKMさん、そして僕の3人だ。KMさんは、実家は四国で、大学で大阪にすんでいたらしく、あやしい関西弁を使う。

今日も引き続き、Fソーターの研修を受けた。最終日にして、なんとなく要領を掴んだ。研修終了後、15分ほど休憩を取り、商品をパッキンに詰め込む作業、梱包に向かった。

折りたたみコンテナに指を挟み、少々出血した。手を洗い、バンソウコウをして、再び梱包を続けた。少し時間が経ったとき、となりのブースを梱包してたK主任に話しかけられた。

「変な質問するけど、足立君、少々なりとも自分のこと賢いと思ってる?」

この返事には困った。僕は、あまり名は知られていないが一応わりと優秀な国立の大学を出ているし、仕事もきちんとしているつもりだし、まわりのみんなにも気を使い、自分のできる範囲で手伝い、率先して色んなことを覚えようと努力しているので、社歴のわりに色んなことを理解し、周りにも頼られている。とりあえず、

「まあ、全然思ってないといえば嘘になるので、ほんのちょっぴりは思ってます。」

と答えた。すかさずK主任、

「やっぱりな。出てるわ。そんな感じが。」

あ、僕ってがんばってるけど、それが自分できる奴アピールみたいで、やな奴に見られてるんかな。って思って、

「直したほうがいいっすよね…。」

ってちょっと変なことを言ってしまった。すると、K主任、

「いや、別に悪い意味で言ってるわけじゃなくて、見てたら、ちゃんとやってくれてるし、なんでもやったら、すぐ飲み込む要領がいいんかなと思って。」

「僕は、どっちかというと、努力するほうですよ。要領もあんましよくないですし、努力して掴んでいくタイプです。」

「え、天才肌みたいなんちゃうん?俺、そう思ってたわ。」

「いやいや、僕は、理解できるまで粘って、ぼちぼち要領つかんでいくんで、天才肌なんかじゃないですよ。」

「でも、大学どっかでてるんやろ?」

「あー、多分知らないと思いますが、京都工芸繊維大学です。」

「知ってるよ。工繊やん。自分かしこいやん。だって、俺、工繊落ちて関大いったもん。」

とまあ、こんな感じで会話してたのだが、こっちにきてから、工繊のことを知ってる人に初めて会った。うれしいやら、なんか、複雑な感じ。K主任はそうではなかったが、僕ががんばることに関して、あんましよく思ってない人もいるかもしれないってことを思った。

まあ、仕事のできない奴にどう思われようが勝手だが・・・。